歴史、伝統、世界遺産、音楽・ダンス、宗教などについて説明したいと思います。
ジョージアは人類がアフリカ大陸からヨーロッパ大陸へ渡ったことを証明することができるドマニシ原人が発見された場所です。そして土地は大変肥沃です。広大な大コーカサス山脈により寒気から守られ、南は小コーカサス山脈によって乾燥から守られ、気候は高山帯から亜熱帯、砂漠帯までが小さな国土にあり、他に類を見ない興味深い国土です。古代ギリシア話にあるジェイソンが黄金の羊の毛皮をアルゴー船で探す冒険でジョージアが登場するなど歴史が古く、ペルシャ、ローマ時代を経て近代に至るまで約8000年の歴史とそれに伴う物語があるのです。
現在のジョージアは、それらの歴史を経て、様々な魅力のある国として世界から注目されています。
古代の洞穴都市を訪問し古代の人たちの世界にタイムスリップするのも面白いでしょう。はたまた、バレエ、オペラ、伝統舞踊、クラシック、ダンスを観賞するも良し、ジョージアの伝統的な料理に舌鼓をうつのも良し、ワイン発祥の地のオーガニックなワインを楽しむのも良し、あらゆるシーンがあなたの心に永遠に残ることでしょう。
オペラ・バレエ・ダンス
ジョージア多声音楽(ポリフォニー)
ジョージアの多声音楽(ポリフォニー)はコーカサスの山岳音楽として受け継がれ、伝統音楽となりました。その調和のとれた魅惑的な音楽は、2001年にユネスコ「世界無形文化遺産」として登録されました。その独特で調和のとれた多声音楽は何世紀たった今でも変わりません。ギリシャの歴史家ストラボンは紀元前1世紀の戦いの時ジョージア人が歌った多声音楽の聖歌を記しています。歌は三つの違う音域から成り立ちます。その歌は全国の教会や修道院、夕暮れのトビリシの街角や夏のさわやかな朝に牧場から聞こえてくるでしょう。ジョージアの伝統的な宴会スプラ(Supra)でももちろん欠かせません。
バレエ
ニーナ・アナニアシュヴィリ(Nino Ananiashvili ボルショイの元プリマバレリーナ)の復帰により、近年ジョージアのバレエは進化をとげています。そのパフォーマンスは最高レベルです。世界的に有名なジョージ・バランシン(George Balanchin)のようなジョージアの偉大な元ダンサーによって振付られた素晴らしいバレエをジョージアで見ることができるのは最高の幸せです。
ジョージアの民族舞踊
ジョージアの民族舞踊は大変有名で世界中で公演されています。
その特徴は、男性は高く飛び、空中で回転し、つま先立ちで勇敢さや技能をアピールし、女性は、背筋を伸ばし、腕を水平に伸ばして優雅さをアピールします。
ジョージア人は踊り好きで、ダンスフロアのあるレストランが多くあり、結婚式やスプラの時も欠かせません。
また、その民族衣装は、男性は「チョハ」女性が「カバ」と言います。
カヘティ地方歴史的建造物
ジョージア東部に位置し、ジョージアの中でも最も古いワインの歴史がある一大産地です。カヘティは画家ピロスマニの生まれ故郷でもあります。ロシア帝国に併合される前はカヘティとういう独立国で中心地はテラヴィでした。町の中心部には当時の王宮とイラクリ2世像がそびえています。郊外にはアラヴェルディ修道院、イカルト修道院、グレミ修道院があり、ツィナンダリにはジョージアの社会活動家アレクサンドレ・チャフチャワゼ(1837-1907)の邸宅や彼のワイナリーが残っています。
シグナギ Signaghi
トビリシから南東へ110キロ、テラヴィからは車で約1時間です。観光開発がすすめられている城壁に囲まれた町で、古い町並みが残っており、ワイナリー巡りを楽しめます。
アレクサンドレチャフチャワゼ邸宅
アレクサンドレ・チャフチャヴァゼ博物館(Tsinandali Alexander Chavchavadze museum) はカヘティ地方、テラヴィ町から10キロメートルのところに位置しています。19世紀の文学者であり、貴族であった彼の家を博物館にし、チャフチャヴァゼ家の貴族の生活や、アレクサンダーの詩人としての活動記録を残しています。家の庭には古いワイナリーもあります。
ダルトゥロ村
古い家々(シグナギ)
教会・修道院
宗教
ジョージアがキリスト教国となったのは西暦4世紀で、これは他のキリスト教を信仰する国の中でも最も古い国の1つと言われています。今日、国民の大部分はキリスト教徒(ジョージア正教)ですが、イスラム教徒、ユダヤ教徒とも互いに尊重し合い、平和に共存しています。トビリシ市内にはそれらの教会、モスクなど宗教的な建物が数えきれないほどあります。
教会と修道院
ジョージア教会建築は1,300年に及ぶ伝統があります。それは国の最重要遺産の1つとして位置づけられています。ジョージアの聖職者たちを祀った霊廟建築でもあります。
ジョージアで発展したのは聖職者による建築で、ドーム構造とバシリカ構造という2つの方式が主要でした。バシリカの形態はローマとヘレニズム文化の影響を受けており、7世紀には建築技術が目覚ましく進歩し、多くの建物が建てられました。
ムツヘタにあるジュヴァリ教会(Jvari)のデザインは、多くの建築家の見本となりました。8~9世紀は、ドーム構造の教会とバシリカ構造の融合のような複合型の建築が盛んになりました。この種類の建築で最も有名な建物は、ドーム構造のヴァチュナジアニ(Vachnadziani)教会とグルジャアニ(Gurjaani)のクヴェラツミンダ(Kvelatsminda)教会です。この時期がジョージアの黄金時代として知られています。
教会建築の偉大な遺産の1つは、6世紀にアッシリアの修道僧ジョセフよって設立され、11世紀にジョージア正教の総本山となったアラヴェルディ(Alaveri)修道院です。
15~16世紀はカヘティ王国の力がピークに達しました。その首都は王レヴァンが設立したグレミ(Gremi)でした。グレミには丘の上に立つ、城壁に囲まれた教会があり、修道院としての役割と他者の侵略を防ぐ役割を担っていました。
芸術的な大聖堂もジョージアの大きな遺産です。グリゴル・グルジャヴァルサシュヴィリ(Grigol Guljavarsashvili)などジョージアの画家によって塗られた『柱』はとても興味を引くでしょう(XVII世紀)。
また、ソヴェティツホヴェリ(Svetitskhoveli)教会とバグラティオニ(Bagrationi)教会は高位の聖職者と家族の埋葬地でもあります。
トビリシから北へ車で行くと複合建築であるアナヌリ(Ananuri)教会があり、フレスコ画を見ることができます。
ヘヴスレティ(Khevsureti)スタイルと言われる塔が有名です。
st.エリア(カヘティ地方)
アナヌリ(ムティウレティ地方)
アラヴェルディ(カヘティ地方)
グレミ(カヘティ地方)
ゲラティ(イメレティ地方)
ジュワリ(ムツヘタ)
ソヴェティツホヴェリ(ムツヘタ)
バグラティ(イメレティ地方)
様々な教会と修道院
金の歴史
多くの国も同じように古い歴史があるでしょう。しかし、ジョージアほど歴史のある国は多くはありません。歴史は200万年に遡ります。
首都トビリシの南で発見された人骨は、約180万前のものと分かりました。それはアフリカからヨーロッパに人類がわたっていったグレートジャーニーを証明するヨーロッパで唯一の痕跡です。地名をとって、ドマニシ原人と名付けられ、人類学的、歴史的、生物学的にも貴重な発見と言えます。
古代コルキス王朝時代の黄金が数多く発掘され博物館に展示されています。(黄金ライオン像、金の装飾品、ベルト、冠など)。これらは、ギリシャ神話の中にも登場し、ジョージアの黄金伝説となっています。
ギリシャ神話に「ジェイソンとアルゴー船の冒険」というものがあります。
神話によると、ジェイソンがアルゴー船で遠い黄金の国コルキスに行き黄金の羊の毛皮を探しに行くという冒険物語です。
洞穴町
世界でも数少ない洞穴の町の中で、ジョージアのものは非常に特別です。ウプリスツィヘ(Uplistsikhe)、ダヴィッド・ガレジャ(David Gareja)修道院とヴァルジアの世界的に有名な洞穴都市は、ユネスコ世界遺産リストに候補に挙げられています。
ヴァルジア
ヴァルジアの石窟遺跡である石窟修道院と石窟都市の建設は、タマル女王の時代(約1000年前)に遡ります。彼女の父、ギオルギ王 IIIが創設し、タマル女王がその建設を受け継ぎ完成しました。多くのフレスコ画は12世紀初頭にまでさかのぼります。小さなチャペル、鐘楼、秘密のトンネル、洞穴ならびに修道院から成ります。穏やかな田園地帯にあるこの石窟遺跡は、あなたを歴史ロマンの世界へ誘うことでしょう。
ウプリツィヘ
ウプリスツィヘはゴリから車で東へ10Km。ウプリスツィヘは『神の砦』という意味で、ムトクヴァリ川の岸を見渡している高い岩が多い急斜面にあります。
天然岩を削って造られ、洞穴の町の広さは8ヘクタールあります。1000年~2000年前から人々が居住していたと言われ、キリスト教以前の異教徒・多宗教時代の名残のある建物も見られます。また浸食、老朽や地震にも耐えてきました。劇場やワインの醸造所のような部屋も発見されています
ダヴィド・ガレジャ
ダヴィッド・ガレジャ修道院は、6世紀にガレジャ山麓で、アッシリア13神父の1人ダヴィッド・ガレジェリによって設立されました。彼らはメソポタミアの出身でキリスト教を宣教していました。多くの修道僧から尊敬された創始者でした。
ここのフレスコ画も大変素晴らしいです。特に11~13世紀に描かれた黄金時代のフレスコ画は高く評価されています。